先日開催された神奈川県の「若者×かながわSDGsパートナーワークショップ」に参加し、活発な意見交換を通して、サステナブルな社会実現に向けた世代間協働の重要性を再認識しました。本稿では、ワークショップで議論された中小企業が抱える課題と解決策、そして世代間協働による持続可能な未来への展望について考察します。

中小企業の廃棄物問題と解決策

課題：まだ使えるものを廃棄処分しなければならない

製造過程で発生する汚れや傷によって商品化できない廃棄物は、多くの企業にとって深刻な課題です。一見すると問題ないように見える商品も、厳しい品質基準を満たさないという理由だけで廃棄処分される現状があります。

解決策：寄付・再利用・新商品開発

ワークショップでは、廃棄物を減らすための様々なアイデアが出されました。

• 寄付: 傷や汚れがあっても使用可能な商品は、福祉施設や途上国などに寄付することで、新たな価値を与えることができます。
• 再利用: 廃棄予定の素材を新たな製品に生まれ変わらせるリサイクルやアップサイクルは、資源の有効活用と環境負荷低減に貢献します。
• 新商品開発: 廃棄物から新たな商品を生み出すことは、企業にとって新たな収益源となる可能性を秘めています。

新商品開発における課題

アイデアの具現化の難しさ

新商品開発は、アイデアを形にするには多くの努力が必要です。

• ものづくり拠点: 製造設備や技術力の確保
• 人材: 商品企画、デザイン、製造、販売など、様々な専門人材の確保
• 販路: 新商品の販売チャネルの確保
• スケジュール: 商品開発から販売までのスケジュール管理

これらの課題をクリアするには、中小企業にとって大きな負担となります。

中小企業の閉鎖的な風潮

長年の取引関係を重視するあまり、新しい販売戦略や販路開拓に抵抗がある企業も存在します。現状維持を優先する風潮は、サスティナブルな社会の実現に向けた大きな障壁となります。

世代間の協働による未来への展望

サスティナビリティへの認識の違い

発信力や経験の違いから、若者世代と中小企業の間にはサスティナビリティへの認識に開きがあります。しかし、互いの視点や感覚の違いを理解し、尊重することが重要です。

世代間の協働の重要性

若者世代の柔軟な発想と、中小企業の経験や知識を組み合わせることで、新たな解決策を生み出すことができます。

– 若者の強み: 環境問題への高い意識、柔軟な発想、新しい技術への理解

– 中小企業の強み: ものづくり技術、経営ノウハウ、顧客との信頼関係 

これらの強みを活かすことで、サスティナブルな社会の実現に向けた大きな一歩を踏み出すことができるでしょう。

持続可能な社会実現に向けた取り組み

現状打破への本気の取り組み

サスティナブルな社会を実現するには、企業が現状打破に本気で取り組む必要があります。

• 経営層のコミットメント: サスティナビリティへの取り組みを経営戦略に組み込み、全社的な取り組みとして推進する必要があります。
• 具体的な目標設定: 具体的な目標を設定し、定期的に進捗状況を測定し、改善していく必要があります。
• 従業員の意識改革: 従業員一人ひとりがサスティナビリティの重要性を理解し、行動に移せるように意識改革を推進する必要があります。

若者との協働によるイノベーション

若者との協働は、企業にとってイノベーションを起こすチャンスとなります。

– インターンシップ: 若者を企業に受け入れ、実際の業務を通じて企業の課題や文化を理解してもらう機会を提供する。

– 共同プロジェクト: 若者と共同でプロジェクトを進めることで、新たなアイデアや視点を取り入れる。

– メンター制度: 経験豊富な社員が若者をメンターとしてサポートし、相互理解を深める。

まとめ

時代は変わりつつあります。限りある資源を最大限活用し、長年の事業形態から脱却する必要に迫られています。「まだ使える」「まだ価値がある」そういった視点から、常に新しい価値を生み出せるよう、世代を超えて知恵を出し合い、行動していきましょう。