配信音声のレベルがバラバラなとき
こんにちは!
ハンドメイドクリエイター兼音響オペーレーターのE AND I CREATIONSの遠藤です
音響や音声の仕事をしてきて、音についていろいろ考えることあります。
今日はYoutubeとかのコンテンツで、音声が小さいなとか、歪んでいるなとか、個々のレベルが違うな、など聞きながら思った職業病的な部分を書いていきたいと思います。
目次
収録している時は気づかない!!なぜレベルが違うの?
たとえば一つのビデオカメラで三人ぐらいのトークを収録しているとします。でも、一人は声が大きくて、一人は小さい声で話しているとき、それを一つのビデオカメラで収録し確認すると、レベルが違うのがわかると思います。
カラオケで、マイクを口の近くで持つのと遠くで持つのは、聞こえている音のレベルが全然違いますよね。
でも、それを経験上、わかっているけれども、収録後に音の問題は発覚する。気づくのは後なんですよね。それはなぜなのでしょうか?
人の耳は選んでいる
カクテルパーティー効果って聞いたことありますか?
カクテルパーティー効果とは多くの音の中から、自分が必要としている情報や重要な情報を無意識に選択することができる脳の働きのことをいいます。 これは1953年にイギリスの認知心理学者のコリン・チェリー によって提唱され、音声の選択的聴取、選択的注意とも呼ばれています。
医療法人社団 平成医会
居酒屋で気になるBGMを聞き分けたり、後ろから呼ばれた気がして振り向いたり、人は自分に必要な情報を選択できる。野生動物も基本的に必要な情報を聞き分けて反応しています。
脳はすべての情報を聞き分けずに聞いてしまうとパンクしてしまいます。必要な情報だけを取捨選択できるようにしているということです。生きとし生けるものすべて選択してコミュニケーションをとっているのですね。その方法は周波数や音源の位置を脳内で分析して取捨選択しているようです。
「カクテルパーティー効果」は、もともと心理学用語です。
その効果が、私たちをトラップにハメているのです!
マイクにはそんな能力ありません
人の耳って本当にすごい。選んでいるんですよ。聞きたい音を選べる。
しかし!マイクにはそんな能力ありません。いわば全て収音している。マイクはとっても素直なんです。
マイクには指向性があって、その方向に向けると収音できるとか、そういう選択肢はあります。
でも周りがうるさいとか風が強い、三人で話している時のレベル差を本当に素直に収音します。
そうなんです。人の耳は優秀なので、三人で話していてもは耳は選んでいるから、声の小さい人の音声もちゃんと聞こえます。風が強くても、話を聞く意図があるから聞こえているのです。耳は自動選択集音器なんです。その場では、無意識なので気がつきません。聞いている音とマイクを通じて聞いている音は違うのです。そこにギャップがあるから、配信音声のレベルがバラバラ問題に発展しているのです。
ではどうすればいいのか?この特性を知っていることが大事です。
YoutubeにUPする前にチェックすること
収録の時、映像は見えるから確認しやすい。暗いとか影が入るとか、位置など調整します。見えているからできるんです。でも音は耳で聞いてる分は平気なので、ちょっとおざなりになりがちです。
\\待ってください//そのRECボタンを押す前に、やっていただきたいことがあります。
収録前テストを録音して、ちゃんと聴いてください。ヘッドフォンやスピーカーに繋いで再生して客観的に判断することが必要です。マイクが一本なら距離感で変わるか試してもいいでしょう。大きい声の人は後ろに、小さい声の人はマイクの近くにするような対処法があるはずです。それでも対処できない場合は、マイクを増やしたり、ミキサーでコントロールしないとならなくなります。でもまずはできること、ちゃんとテストすることが大事だと思います。
収録前にレベルやバランスを確認してあると、編集作業が楽できます。
動画編集ソフトでもレベル調整できます。編集ソフトでも音声の大きくできます。
動画編集ソフトで最終的なボリュームとして0dBに揃えた方がいいです。
でも全体でボリュームをあげても、そもそもの収録音声のレベル差があるとなかなか修正できないのがせつないところ。個別でも上げ下げできますが、時間のかかる作業と思います。
なので収録時のレベルとても大事なのです。
だからプロがいる
音声さんやMAさんはいかに自然に聞こえるかをテーマに仕事しているプロフェッショナルたちです。
いかに自然に聞こえるかとは、聞いている状態に近い、もしくはそれ以上の調整をしています。そんな風にテレビや映画を見てみるのも面白いと思います。
わたしもなんだかんだプロなので、いろんな機材を駆使して番組制作をしています。バランスを録ることや違和感がないことにコミットして仕事しています。
そんなプロに頼むわけにもいかない方々へ。
→そんな高価な機材がなくとも、工夫次第でいろいろできます!
音のことわからない〜と思われるかもしれませんが、マイクは素直だと理解して、コンテンツ作りの参考にしていただければ幸いです。
そんな現場の気持ちがわかる音響オペレーターがカスタムメイドで使いやすいケースを製作します
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