カルトナージュでプロ機材用カバーを作ってみた
こんにちは。カルトナージュってご存知ですか?
カルトナージュとは
カルトナージュ(Cartonnage)は、フランスの伝統工芸で、厚紙(カルトン)で作った箱に布や紙を貼って仕上げるものです。フランス語で「厚紙細工」を意味します。
画像検索ではたくさんの作品例が出ていますね。どれも可愛い。そしてちょっとふっくらとしているものあって、より可愛さを増していますね。
目次
こんなものを頼まれました
私が得意の裁縫で実用的なディスプレイモニターケースを作っているのを知った現場のカメラマンに、カメラの液晶モニター部を暗所にできるものが作れるかというものでした。カメラの液晶モニターの部分はここです。
今までは厚紙で自作していたのを見せてもらいました。
紙で製作しているので、メリットはたくさんあります。
・容易に立体にできる
・テープなど簡単に貼れる
・折りたたむことができる
・使い捨てが可能(またすぐに作れる)
本当、紙は優秀です。でもデメリットもあります。
・耐久性がない
・雨や水に弱い
これもやり方次第ではありますし、そもそも雨や水に関しては機材自体が避けるべきものなので、液晶モニター自体を守っても他が守れていないなんてもっての外です。でも写真の通り、湿気などの影響で強度が弱まってしまう場合がありそうですね。ふむふむです。
何個か試作してみました
というわけで、布で作ってみることにしましたが、これは一筋縄ではいきませんでした。なんでもそうですが、試して試して検証してまた試すの繰り返しです。とりあえず作ってみないと始まりません。いままでの紙のメリットも含めないといけません。
特に折りたためることができるは重要なポイントです。薄くなることはカメラバッグに収められるということです。
このサイドポケットに収まらないといけません。
布に4枚の板を入れて縫ってみました。背面はゴムで固定するものを試作しました。
これがねじれるのです。もっと硬くしないとなりませんでした。
硬い生地を重ねる
生地自体の硬さを利用して、貼り合わせてみることにしました。これは割とうまくいきました。
使ったのは帆布で、撥水加工が施されていたものでした。
しかしながら、生地をボンドで貼ったものなので、求める硬さにはなりませんでした。
結論として一旦は、紙に勝るものなし!!という結果で自分自身を納得させてみました。(試作を一度諦めました)
カルトナージュを知る
私には最近、行きつけの近所のカフェがあります。そこのマスターがものづくり好きで、特にミシンが好きなので、よくものづくりの話で盛り上げります。そんな行きつけのカフェのマスターがカルトナージュを教えていることを知りました。カルトナージュとは『厚紙(カルトン)で作った箱に布や紙を貼って仕上げる』ものだと知ると・・・一度すっかり諦めたものが蘇りました。もしかしてこの技法で作れるかもしれない!と思いました。
というわけでカフェのマスターに話してみて、教えてもらうことになりました。
とりあえず体験
可愛らしいコースターを作ってみました。生地がしっかり貼られているので、気持ちいいいです。下のは使った厚紙。2mmのものでした。ちょっと反るのですが、硬くしっかりとした厚紙でした。
今までの型紙をもとに試作品を作る
そんなわけで、一度試作を作ってみることにしました。本来のカルトナージューは立体のもの(箱とか写真立てとか)に装飾を施すもので、逆に折りたたむことを条件にすることはあまりないようなので試行錯誤しました。
なんだかんだ3時間ぐらいかかって完成したのがこちら!!
接着剤が染みたあとなどありますが、硬さはばっちり。今回は窪みも意識してみました。
本体に試着していないので、サイズ感は想像ですが、少しでも暗所が作れたらいいなと思います。
今回の反省点は
奥行きに関してはもっと追求した方がいい
折りたたむために内側の布と外側の布の伸び縮みの特性を検証した方がいい
マジックテープなど固定できるものをしっかりと仕込むべき
布にボンドが染みると黒だとわかりやすいので、どのくらいの濃度のボンドだといいのか検証
生地なのでどうしてもほつれが出てきがち。そこをどう工夫するか。今回はシーチングでやってみたが他の生地も試したい(薄い生地がいいらしいけれども)
いつも実用的なものばかり作っている私ですが、新しい技法を取り入れつつ楽しんで製作していきたいと思います!
カスタムメイド承っています
ゲーミングモニター、スピーカーケース等幅広く対応しており、映像音響配信現場のオペレーターの視点で厳選した素材や、使い心地にもこだわっています。カスタムメイドのご相談などお気軽にご連絡ください。
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